2018/01/25

イップス

 都内の気温氷点下。こたつから出られず、仕事も捗らず、深夜、インターネットで百万円台の中古のマンションをいろいろ見ていた。
 山梨県の甲府市内にけっこうある。
 高円寺界隈でひとり暮らし用のアパート(1K)が月六、七万円。百万台マンションなら一年半から二年分の家賃で買える。今のところ、買う気はないが、もしこの先、仕事が行き詰まったときの選択肢として……答えは出ない。

 最近、読んだ本では澤宮優著『イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち』(KADOKAWA)がよかった。選手自身が、イップスについてこれだけ語っている本を読んだことがなかった。
 登場するのは、元日本ハムの森本稀哲、岩本勉、ヤクルトの土橋勝征、プロゴルファーの横田真一、佐藤信人の五人。この本を読んで、森本稀哲選手の印象がずいぶん変わった。いい人だなあと……。
 ゴルフだと、至近距離のパットが入らなくなる。野球の場合、ピッチャーがストライクが入らなくなる。野手は簡単な送球ができなくなる。
「失敗してはいけない」という気持が強すぎると、イップスになることがある。

 スポーツの本だが、困難の克服というテーマは、人生全般にも通じる。澤宮さんは、苦労人の言葉を引き出すのがうまくて、陽の当たらない部分を丁寧に描く。

 年中、わたしは調子がよくないのだが、「それが当たり前」とおもって生きていくのは、そんなに間違っていないのかもしれない。