2017/07/16

モンテーニュと新居格

 今年の春、新居格の本の序文を読み返していたとき、毎回、自分は平凡な人間だから特別なことは書くつもりはない——というようなことが綴られているのに気づいた。モンテーニュの『随想録』のまえがきに「わたしはこの本を書くにあたって、自分のことわたしのことよりほかには何も目ざしませんでした」「どうか皆さん、この本の中に、わたしの自然の・日常の・堅くもならなければ取りつくろってもいない、ありのままの姿を見てください」(関根秀雄訳)といった文章がある。

 新居格はモンテーニュを意識していたのかもしれない。大いにありうる。