2016/11/05

いつもの悩み

 夕方、神保町。古本まつりをぶらついていたら、NHKのカメラ(シブ5時?)がちょうど撮影中。逃げる。野村克也の持っていない本を一冊買う。豊田泰光の未読本もあったのだが、署名本。別に署名はなくてもいいなとおもったので見送る。やっぱり買っておけばよかった。迷ったら買わないといけない。

 何度も書いていることだが、目先の仕事に追われて、何かひとつのテーマにじっくり取り組めない。

 お金がないとできないこと、体力がないとできないこと、時間がないとできないこと……年々できないことが増えている気がしてならない。満足できるレベルに達するのに五年十年とかかるようなことには迂闊に手が出せない。
 若いころは時間はたっぷりあるとおもっていたし、あまり仕事をしてなかったから、ひまだった。どんなに疲れていても、一晩寝れば、気力も体力も復活した。
 ひまで体力があったころ、何をやっていたかといえば、毎日古本屋と中古レコード屋をまわって酒飲んでいた。あとゲームもやってた。徹夜で。その延長戦上に今がある。無駄ではなかったが、無駄なこともいっぱいした。でも無駄なことができるのが、若さだったり、可能性だったりする。

 今はどうしても限りある時間と体力の範囲でできることを考えてしまう。ゲームはしなくなったし、レコード屋でAの棚から順番に一枚一枚アルバムを探さなくなった。朝まで飲まなくなった。
 現状を維持しながら、新しいことをはじめるのは至難だ。でも今までどおりのやり方を続けていたら、そのうち通用しなくなる。
「一年くらい仕事せずに遊んで暮らしたい」とよくおもうが、仮に実行したとしたら、一年後、再び仕事にありつけるかどうかわからない。冷静に考えると、無理っぽい。

 働き続けながら、摩耗せず、枯渇せず、好奇心のおもむくままに新しいテーマに取り組み、適度に休み、毎日楽しく暮らしたいのだけど、むずかしいだよ。