2016/09/21

関から京都

 十八日、三重に帰省。新幹線では、渡辺京二×津田塾大学三砂ちづるゼミ著『女子学生、渡辺京二に会いに行く』(文春文庫)を読む。この本、五回くらい読んでいるかも。

 名古屋駅の地下街をぶらついて傘を買う。午後二時すぎ、ひさしぶりに四日市で途中下車すると1番街でジャズ・フェスティバルが開催されていた。五年くらい続いているらしい。
 四日市あすなろう鉄道で内部(うつべ)駅に出て、内部駅から近鉄の平田町駅行きのバスで帰ってみようと考えていたのだが、今回はやめた。
 夕方、港屋珈琲。スーパーマルヤスで調味料(おでん用の味噌など)と酒を買う。
 母がおじ(母の弟)にネットオークションで戦記(三十冊)を千円で落札してもらったと自慢。一冊千円くらいの古書相場の本が四、五冊はあった。
 五月末に父が亡くなって、いろいろな手続きも無事終わり、ようやく一息。片づけはゆっくりやることにする。

 翌日、おじの車で母と東海道関宿へ。鈴鹿と関は車だとすぐ近くなのだが、JR関西本線(わたしが生まれ育ったのは近鉄沿線)の町はあまりなじみがない。久住昌之著『野武士、西へ』(集英社文庫)で「奇跡の宿場・関」と絶讃されていた宿場町だ。
 子どものころは古い町並を見てもピンとこなかった。今の関宿は電信柱もなくし、景観の保全に力を入れている。喫茶店が多い。街道の裏には寺や神社もたくさんある。
 昼食は関のドライブインのレストランに行く。連休中ということもあって観光客(団体)がたくさんいた。
 そのあと亀山駅まで送ってもらう。亀山駅のまわりをすこし散策。亀山みそ焼きうどんの看板をあちこちで見かける。
 亀山駅から京都まで千三百二十円。近鉄や高速バスよりもはるかに安い。ただし電車は一時間に一本くらいしかない。
 安西水丸著『ちいさな城下町』(文藝春秋)に亀山城の回がある。安西さんも関宿を訪ねている。「関の小万の仇討」の話から、小万を育てた山田屋は、今、会津屋という食事処になっていることを知る。

 亀山から柘植、柘植から草津、草津から京都で二時間。電車が柘植あたりに差しかかったとき濃霧がすごかった。外の景色がまったく見えない。高校時代、柘植から通っている「ツゲちゃん(本名はちがう)」というあだ名の級友がいたことをおもいだした。

 京都は六曜社でコーヒー。夜はまほろばで世田谷ピンポンズ、市村マサミ、オグラのライブ。三者三様の独特の言葉の世界を堪能する。楽しくて飲みすぎる。酔っぱらって、記憶があやふやなまま、気がついたら扉野さんの家で寝ていた。朝ごはん、おいしかった。

 台風接近中のため、午前中に東京に帰る。名古屋まで新幹線の席をまちがえて座っていた。気づかなかった。車中、熟睡。
 家に帰って洗濯してうどん作ってまた寝る。寝ても寝ても眠い。