2016/09/07

マニアとは

 たまに「マツコの知らない世界」(TBS)を見ていると、いわゆるマニアの人たちのひとつのことに傾ける尋常ではない熱量に圧倒される。
 趣味、あるいは好きというだけで生活に支障が出るくらいの時間とお金を費やす。自分にはできない。わたしも仕事そっちのけで、趣味(古本)に溺れていたこともあるが、「これ以上はまずい」というところでブレーキを踏んでいた気がする。

 すこし前に番組に出ていた人は、生活雑貨が好きすぎて一千万円の借金を作った人物として紹介されていた。
 本業は別にあり、生活雑貨を買うのは趣味である。趣味で一千万円の借金を作ってしまう感覚がわからない。一千万円の借金はどういう種類の借金かもわからない。資産家の親から借りたのか、金融機関から借りたのか。借金にもいろいろある。

 番組に登場した人は雑貨の話になると止まらなくなる。溢れんばかりの雑貨愛はすごいとしかいいようがない。
 何かを伝えるさい、好きで好きでたまらないから紹介したい——というおもいがある人には敵わない。

 生活雑貨マニアの人が買うグッズは、ふだんわたしが買っている古本の値段とそんなに変わらない。ほとんどがワンコインで買えるものだ。ただ、海外まで雑貨を探しに行く。「どうしてそこまでして」とおもうが、マニアとはそういうものだともいえる。

 制御不能になるくらいのめりこむことがマニアの証なのではないかとおもっていた。でもそれでは続かない。
 趣味の持続のためには自己規律が必要だ。しかし、自己規律が強くなりすぎると、何かに熱中したり、没頭したりしにくくなる。

 世の多くの人はおこづかいの範囲内で趣味を楽しんでいる。お金がないときはガマンする。生活を犠牲にして趣味にのめりこんでいる人は少数派だろう。少数派の世界は気になるし、おもしろい。おもしろいが、わたしにはできない。

 話は変わるが、朝の情報番組で広島のユニフォームを着たアナウンサー(?)が、最後にほんとうは阪神のファンだと告白していた。
 広島ファンにも阪神ファンにも失礼だ。