2016/05/18

働くのはそれからだ

 先週、『フライの雑誌』の堀内さんとあきる野市の養沢毛鉤専用釣場に行く。初フライフィッシング。四十代以降、すこし頑張れば達成できる目標がほしいとおもっていた。新しい趣味がほしいともおもっていた。
 初心者にはむずかしい釣りだが、うまくいかない中にも楽しさがある。釣りというのは、魚が釣れるからおもしろいとおもっていたのだが、たまにフライのついた糸が自分が狙ったところに飛ぶだけで嬉しくなった。今までやってきた釣りとまったくちがう。最初の一時間くらいは、ほとんど糸を絡めたり、木に引っかけたりしていた。
 フライフィッシングはおもっていたより忙しい。そのことは以前、堀内さんからすこしだけ聞いていたが、やってみないとわからないことだった。

 この続きはいずれまた。

 すこし前に読んだデビッド・マカルー・ジュニア著『きみは特別じゃない 伝説の教師が卒業生に贈った一生の宝物』(大西史士訳、ダイヤモンド社)に『マクリーンの川』の話が出てきた。

《ノーマン・マクリーンはその美しいエレジー『マクリーンの川』の中で「すべての良いことは……神の恩寵によるものだが、神の恩寵は人の行いによるものであり、人の行いというのはそう簡単なものではない」と書いている。まずは自分の時間をつぎ込んでもよいと思えるものを見つけることだ。求められているのは打ち込むこと——目標を持つこと——働くのはそれからだ》 

 デビッド・マカルー・ジュニアはボストンのエリート高校の先生で、卒業生にたいし、「きみは特別じゃない」という言葉をくりかえす。詩や文学、読書の素晴らしさを語りかけ続ける。打ち込めるもの、没頭できるものがある幸せをひとりでも多くの卒業生に伝えようとする。
 役に立つとか立たないとか関係なく、自分が没頭できるものを見つけること。ただし、何かにのめりこみすぎると、仕事や生活に支障をきたすこともある。ある時期から没頭する対象にブレーキをふむことが増えた。どこまでブレーキをふまずに打ち込めるか。

 頭ではわかっていることが、なかなかできない。