2016/01/07

正月ボケ日記

 正月中、漫画ばかり読んでいた。くらもちふさこの『駅から5分』(全三巻、集英社)、『花に染む』(一巻〜六巻、集英社)がよかった。このふたつの作品は、登場人物が重なる。一見、関係ないとおもわれる人や出来事が、巧妙に絡まり合っている(とくに『駅から5分』の構成がすごい)。話のつながりを確かめるために、何度か戻って読み返した。

 八〇年代後半のくらもちふさこの作品も読みたくなる。

 初夢ではないが、正月明けくらいから郷里の夢をよく見た。今はもうない喫茶店でピラフっぽい炒飯を食べたり、空気の抜けた自転車に乗って川沿いを走ったり、東京に帰る前に寄った名古屋駅の地下街で迷ったり……。ぜんぶ夢の話ですが。二時間か三時間ごとに目が覚め、また寝る。そういう周期のときはよく夢を見る。ピラフっぽい炒飯の喫茶店では、中南米の酸味の強いコーヒーをいれていた。メニューには「ブレンド」としか書いてなかった気がする。

 六日、今年初の神保町。小諸そばでから揚げうどん、神田伯剌西爾でマンデリン。パターン化している。

 上京したころ、外食が苦手で喫茶店のメシばかり食っていた時期がある。高円寺に引っ越してからは、南口のちびくろサンボという喫茶店と阿佐ケ谷のゴールド街の娥楽亭という漫画喫茶にもよく通った。ちびくろサンボではサンボ丼、娥楽亭ではあんかけチャーハン——昔から同じ店で同じものばかり注文していた。この二軒も今はない。阿佐ケ谷のゴールド街も昨年閉じた。

 今あるメニューがいつまでもあるとは限らない。

 持続と変化——についていろいろ考えたが、今はまとまらない。