2015/10/30

ここ数日

 日曜日、コタツ布団を出す。十一月まではコタツ布団を出さずに乗りきりたいとおもっていたのだが、無理だった。
 長袖のヒートテックを着て、背中に貼るカイロをつける日も近い。

 ドラフトが終わり、日本シリーズがはじまる。いまだに日本シリーズの前にドラフトが行われることに慣れない。
 ヤクルトはようやく一勝。山田哲人選手の三連続ホームラン。山田選手はドラフトでは外れ外れ一位だった。
 ドラフトの結果は五年後にならないとわからない。
……と、ここまで書いて放置していたら、日本シリーズが終わった。ホークス、強かったわ。勝てそうなかんじがしなかった。

 毎年六、七人の新人が入団する。ほかにもFAや戦力外の選手を獲得するから、五年間でだいたい三十人から四十人の新戦力が加わる。支配下登録できる人数は限られているから、増えた数だけ減る。
 プロ野球の世界では五年で半分くらいの選手が入れ替わる計算になる。
 厳しい世界だけど、フリーランスの世界だって似たようなものだ。職種や業種にもよるが、やっぱり五年で半分くらい入れ替わる。

 トマソン社の新刊、吉上恭太著『ときには積ん読の日々』を読む。力の抜け具合が絶妙なエッセイ集。本と音楽、あと野球の話もおもしろい(吉上さんは野球雑誌の編集者だった)。
 文章のリズムがゆったりしている。本人と文章がぴったり重なっているというか、重なろうとしているというか、読んでいて不思議な気分になる。
 吉上さんが人前で歌うようになったころ、山川直人さんが吉上さんにいった言葉もよかった。

 山川さんの新作『一杯の珈琲から』(ビームコミックス)をすこしずつ読む日をすごしていた。至福だった。

2015/10/21

読みかけの本

 明方、足が冷える。コタツを出すかどうか迷う。洗濯、新聞雑誌の切り抜き、本の整理、掃除、プロ野球のCSを観たり、ドラフト情報や野球賭博ネタを追いかけているうちに時間がすぎてしまう。

 十九日(月)、東京堂書店で岡崎武志さんと小山力也さんのトークショー。岡崎さんは『気まぐれ古本さんぽ』(工作舎)、小山さんは『古本屋ツアー・イン・首都圏』(本の雑誌社)、『古本屋ツアー・イン・ジャパン それから』(原書房)を刊行——。

 この五年、十年のあいだに無数の古本屋が閉店し、そして開店している。
 今回刊行された三冊は、古本界を貴重な記録、ある種の考現学の本としても読めそう。
 この日、古本の魔道(修羅)の世界に魅入られた人の話を聞いて、他人事ではないところもなきにしもあらずだったが、あらためて、古本屋通いに精を出そうと心に決めた。

 加藤典洋著『戦後入門』(ちくま新書)を読みはじめたのだが、注釈いれると六百頁超。まだ読み終えるのに時間がかかりそう。

 あとビル・ブライソンの『アメリカを変えた夏 1927年』(伊藤真訳、白水社)の刊行を知る。こちらも注釈込みで六百頁超の大著だが、ビル・ブライソンの本は読まないわけにはいかない。

 新刊と古本の読書バランスをどうするか思案中。

2015/10/07

ポポタム10周年記念ロックフェス

東京・目白のブックギャラリーポポタムが二〇一五年四月に開店十周年を迎えたことを記念し、音楽と飲食を楽しむロックフェスを開催——。


出演アーテストは、ポポタムズ、BOEES、HERNIA15、柴田聡子、松本素生、ジョニー大蔵大臣。
(わたしはポポタムズとして参加します)

2015年11月1日(日)
会場 桜台pool(西武池袋線から徒歩一分)
練馬区桜台1-7-7 シルバービルB2F
14:30 open
15:00 start

●前売りチケット ¥2200円(税込)
※入場時に1ドリンクオーダー(時間内出入り自由)

●ポポタム10周年記念ロックフェス・山本精一画Tシャツ付き前売チケット
¥4460(税込)


詳しくは、
http://popofes.tumblr.com/

2015/10/03

歓喜の夜

 十月二日、神宮球場外野自由席(ライト側)でヤクルト阪神戦を観る。
 マジック1。勝てば(引き分けでも)ヤクルトの優勝。
 午前九時「チケットとれないかな」とパソコンを起動していたところ、フリーの編集者の塚田さんから「二枚とれました」と電話があった。

 午後五時前に球場入りするもライト側はほぼ満席。優勝が決まるか決まらないかの試合を観るのははじめてだ。
 ヤクルトは二年連続最下位だったし、「今年はCS争いができたらいい」とおもっていた。九月に首位になって以降も、ほとんど楽な試合はなかった。今年は僅差で勝ったり負けたりの試合が多かった。

 二日の試合も一対一で延長戦、十一回の裏、二アウト一塁三塁で雄平選手の打球が内野を抜けた瞬間、大歓声が巻き起こった。
 もしこの試合、負けていたらペナントの行方はどうなったかわからない。残り試合はかなり厳しかっただろう。この一ヶ月くらい、二〇一一年の終盤、中日に追い抜かれたときのことが何度も頭をよぎっていた(あの年はショックで体調を崩した)。
 優勝が決まった瞬間は「この先、これ以上の試合は観れないかも」という気持になった。もしかしたら自分の野球人生(正確にはヤクルトファン人生ですが)のピークかもしれない。

 一九七八年にヤクルトは初優勝、一九九二年に二度目の優勝するまで十四年かかっている。わたしがヤクルトのファンになったのは、幼稚園がつばめ組(年中)だったという理由なのだが、三重にいたころはヤクルトファンが少なくて(たいてい学年でひとり)、しかも最下位の常連だったから、野球好きの友人にはよくバカにされていた。

 ここ数年、野球のファンって何だろうと自問自答している。応援したからといって、何がどうなるわけでもない。試合だけでなく、ドラフトから引退、引退後まで選手の生活まで考え続けている時間はいったい何なのかと……。

 でもそんなことはどうでもよくなった。 

 雄平選手のサヨナラのあと、優勝セレモニーとビールかけも球場で行われ、最後まで観る。この光景を目に焼き付けておこうとおもった。何かつらいことがあったときにおもいだせるように。

 家に着いたのは深夜一時ちょっと前。それからペリカン時代で飲んだ。

2015/10/02

雑記

 火曜日、阿佐ケ谷。フライの雑誌の堀内さんと金魚釣り。前回一匹だったけど、今回は三匹釣れた。すこし成長している(四十代以降、上達の喜びが味わえるのは嬉しいものだ)。そのあと古本屋をまわって、堀内さんおすすめの中杉通り沿いの喫茶店に行く。うまかった。散歩がてらにまた寄りたい。
 そのあと飲み屋二軒ハシゴする。堀内さんは釣り以外の話もおもしろい。文学の話をしていても「いわれてみれば」と頷いてしまう。矢口高雄の入手難の作品が電子化されていることも教えてもらった。

 紀伊國屋書店『scripta』の連載(中年の本棚)は「『家族八景』と『中年の未来学』」というエッセイを書いた。

 WEB本の雑誌の「日常学事始」も更新——。

 山田風太郎のエッセイで、ラジオでプロ野球を視聴中、自分が応援している球団が守備の時間はスイッチを切るという話があった。

 その気持はよくわかる。一点差でリードの終盤、相手チームの先頭バッターが塁に出る。ノーアウト一、二塁。一打同点、長打なら逆転。痺れる場面だ。頼む、抑えてくれ。居ても立ってもいられない。
 拭き掃除をはじめたり、食器を洗ったりする。

 ペナントレースも残り数試合、落ち着かない日々が続く。