2014/09/10

拡散と集中

 三十歳以降、なんとなく、このままではいけないとおもって、これまでやってきたことをいくつかやめた。

 漫画をあまり読まなくなったし、そのころから音楽に関しても新譜をあまり聴かなくなった。おもしろい漫画、音楽を探すという行為は、それなりにエネルギーがいる。

 ライターの仕事のうち、何割かそういうおもしろいものを探すことも含まれているのだけれど、何でもかんでも手をひろげてしまうと、中途半端になる。

 一日をどうつかうか。何をして何をしないか。
 好きなことばかりもやっていられない。あるていど、やることの優先順位をつけないといけない。そうすると、どうしても仕事に直結しやすいことを選びがちになる。頑なに「これしかやらない」と限定していく過程で、柔軟性のようなものが失われてしまうこともある。自分の知らないことに無関心になる。

 とはいえ、あまりにも好き嫌いがバラバラのままだと形にならない。形にするということは、いろいろなことを捨てたり削ったりしなくてはいけない。ただ、狭く絞り込みすぎると、行き詰まりやすいし、他人から理解されなくなってしまう。

 興味のあることに集中する時期、拡散する時期——どちらも必要なのかなとおもう。

 今のわたしは拡散の時期なのだが、いつまで続くかわからない。また気が変わって、狭く絞りこみたくなるかもしれない。