2009/10/06

仙台 夜の文学散歩

 土曜日、仕事のあと、仙台に行く。ようやく春夏秋冬の仙台を訪れたことになる。
 仙台の東西南北というのは、東京の町の作り、たとえば、新宿とは逆になっている。
 中央改札が西口側にあって、西に向かって町がひらけている。夕方、駅から繁華街に行くと、西日がまぶしくて前が見えない。仙台で月を見ると、一瞬、北の空にあるような気がする。
 よく道に迷う理由がわかってすっきりした。

 夜九時、火星の庭に着く。ワインを飲みながら「文壇高円寺古書部」の棚の入れ替え、在庫の整理をする。
 何にも考えずに一年以上、ほぼ毎月ダンボール一箱ずつ送っていたので、在庫の山を覚悟していたのだけど、七、八割ちかく売れていた。
 そのあと焼肉屋で飲む(ドリンク三杯付でひとり二千五百円。肉もうまい)。二時間制限だけど、三時間くらいいたかもしれない。

 この日、前野宅で十二時間以上睡眠。やっぱり、仙台の気候が自分に合っているのではないか。いつも熟睡できる。

 仙台通い一年半、やっとぼうぶら屋古書店に入ることができた。感無量だ。
 駅前のセルフうどんで昼食をとり、萬葉堂チェーンの古本市をのぞいて、火星の庭に寄り、マゼランに行って、公園をぶらぶらして、佐伯一麦さんの「夜の文学散歩」に出席する。

 今回の仙台行きはこの読書会が目当て。

 課題図書は、イサク・ディーネセン著『バベットの晩餐会』(桝田啓介訳、ちくま文庫)である。ふだん読まない系統の小説なのだけど、おもしろく読めた。
 飲みながら、感想を話す。酔っぱらって、脱線する。そういうかんじも楽しかった。

 印象に残ったのは「文学は総合芸術である」という佐伯さんの言葉。『バベットの晩餐会』は、政治、歴史、地理、音楽、料理といった様々な要素をふくんだ小説である。短くてすらすら読めるけど、深く味わうには読み手の教養も問われる。
 また芸術の作り手、受け手のあり方もテーマになっている。

 今回の読書会でも、自分の読み方が狭いなあとおもった。そのズレ方を知ったことも大きな収穫だった。この小説でいえば、十九世紀のパリとノルウェーの小さな村との距離感がわかっているかどうかで、ずいぶんちがった印象になるというようなことを佐伯さんに教えられる。
 
 差し入れのウイスキーのボトルをほとんどひとりで空けてしまう。大いに反省。結局、明け方まで飲んだ。