2008/05/01

気分転換

 一仕事終え、次の仕事にとりかかるため家事をしたり、古本屋をまわったり、喫茶店に行ったりする。夜だと軽く飲む。軽く飲んでちょっと寝てそれから仕事をする。
 ずっと机にかじりつても、仕事がはかどるわけでもない。かえって効率がわるい。
 たとえば、あらかじめ何時から何時までは原稿を書くと決め、時間がくれば、仕事をやめて、一区切つける。
 そうすると、原稿を書く時間までは心おきなく遊べる。「今日の仕事は終わった」という気分も味わえる。それで「さあ、飲むぞ」と……。
 しかし、なかなかそういうふうにはできないのである。この先、そんなふうにできたらいいなあという願望をいってみたまで。

 昨日、自転車で阿佐ケ谷に。パラフィン紙とゲルインクのボールペン(パイロット)のなんというんだ、あれは、0・7ミリのつめかえ用のインクを買う。
 元高原書店のSさん(通称・助教授)とひさしぶりにしゃべる。「阿佐谷南口駅前のふるほんや」が移転になるそうだ。次の場所はまだ決まっていないという。
 北口の「ゆたか。書房」で梅崎恵津ほか『幻化の人・梅崎春生』(東邦出版)があった。ほしかった本だ。
 高円寺に戻ってZQで「サウスウエストF.O.B」というバンドのCDを買う。一九六八年のアルバム。コーラスも演奏も絶品だが、すこしアングラ臭(嫌いではないが)もある。

 今日は一日中仕事。
 夜、池袋往来座の「外市」に出品する古本を立石書店の岡島さんと退屈君が取りに来てくれた。
 前回以上に自信の品揃えです。
 そのあとコクテイル。ささま書店のN君に天野忠の署名本(『單純な生涯』コルボウ詩話会と『重たい手』第一藝文社)をありえない値段で売ってもらう。手にとった瞬間、全身から汗が出た。
 天野忠はその詩のすばらしさもあるけど、どんな時代、どんな場所でも、天野忠なら大丈夫なかんじがする。

(告知)
 PR誌『ちくま』、五月号も掲載されました。先月号から二ヶ月連続で掲載(まさに不定期)。
 今回は「昔日の客と店主と写真集」。
 写真集は『ブルデル彫刻作品集』(筑摩書房)のこと。