2007/08/27

阿波踊り

 高円寺は阿波踊り中(八月二十五日、二十六日)、今住んでいる住居の周辺は踊り人のたまり場になっていて、さらに通行規制やらなんやらで、駅から家に帰り着くまでがたいへんだ。
 高円寺駅のホームに着くと、あちこちに酔っ払い。道にも酔っ払い。大将(焼鳥屋)は大繁盛だった。

 昨日は、昼すぎ高円寺西部古書会館の古書展(二日目)に行く。
 小沢信男『昭和十一年』(三省堂)、野原一夫『編集者三十年』(サンケイ出版)、草森紳一『旅嫌い』(マルジュ社)など、いい本がいろいろ手頃な値段で買えた。お祭りムードにのせられ、花田憲子の『あんたが一番! 負けん気女房の奮戦記』(カッパホームズ)も買ってしまう。沢田亜矢子が推薦文を書いていたり、子どものころの花田勝、光司の写真があったり、ある種のマニアにとっては、しびれる本かもしれない。

 夕方、あずま通りの台湾料理で持ち帰りの焼きそばを買う。この時期、阿波踊り以外に、近所のあずま通りでは大道芸フェスティバルもやっている。ベリーダンス(?)の踊り子の集団とすれちがい、たいまつでジャグリングをしている人をながめ、占い師の前を通りすぎるうちに、シラフで歩いているのがバカバカしくなり、屋台で酒を買って、のみながら歩く。

 部屋に帰るもずっと太鼓の音、やっとなー、やっとなーの声。毎年のことなのでもう慣れた。

 ウイスキーを飲みながら、新刊の山田風太郎の『わが推理小説零年』(日下三蔵編、筑摩書房)を読む。単行本初収録のエッセイ集である。山田風太郎もウイスキー党だった。
 この本には「阿佐田哲也と私」「雀聖枯野抄」「親切過労死」と色川武大のことを書いたエッセイも三本ある。
 色川武大が山田風太郎について書いた文章と山田風太郎が色川武大について書いた文章をすりあわせたら、そのズレがたのしめそうだ。

 眠くなってきたので今日は寝ることにする。