2007/05/07

第二回往来座「外市」

 五月五日、六日に行われた古書往来座の「外市」に参加してきた。
 初日はいい天気で午前中からたくさんの人がきていた。わたしは一箱古本市でも活躍した往来座特製の「ホンドラベース」(鯉のぼり付)を借りて古本を売る。一冊百円から三百円。
 午後一時から仕事でぬけて夜八時にふたたび往来座に戻る。

 午後九時前に向井さんに自転車を借りて、旅猫雑貨店にはじめて行った。
 萩原マリエの『ぼくのフライパン 男がつくる料理と知識』(新評社)をけん玉に成功して一割引で購入する。最近、自炊をサボり気味だったので気合をいれようかとおもって。
 雑司が谷は町並が昭和っぽくてのんびりしていてなごむ。いわゆるチェーン店もあんまりなく、小さな古い店が多くて妙に落ちつく。

 午後十時で初日の「外市」は終了。翌日の雨に備えて後片付け。大勢で本棚を移動したり、本を運んだり、文化祭みたいだった。
 帰りに古書現世の向井さん、立石書店の岡島さん、退屈君と居酒屋で軽く食事をする。ずっと働きづめの向井さんは眠りながら喋っている状態(それなのに話は妙に的確)で、店を出るとき、みんな入口とは逆にむかって歩いているのに誰も気がつかなかった。

 二日目はあいにくの雨。午前中からの活動になれてなくて頭がぼーっとしていて、東西線に乗ってしまったのに気づかず、高田馬場で山手線にのりかえて目白に行く。高円寺—目白間は本来なら百六十円で行けるのだが四百円もかかってしまった。
 この日は前の日に売れ残った本をすこしひっこめ、価値があるんだかないんだかわからないけど、探そうとおもうと苦労しそうな雑本を何冊か投入してみる。
 昼すぎいったん仕事のための家に帰る。のどが赤くなっていたので緑茶でうがいし、リポビタンDを飲んですこし横になる。体力のなさがうらめしい。夕方五時の撤収作業までにはなんとか回復する。

 売り上げは五十二冊で一万千百円。出店費の五百円をひいて一万六百円。このお金は大切につかいたい。
 この日も池袋で打ち上げ。翌日、午前中しめきりの原稿をかかえていたのでウイスキーの水割三杯までと決めていたのだが、たぶん、五杯くらい飲んだような。でも水割は『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)の塩山さん曰く「酒をスポイトでたらしたような薄さ」だったので、まったく酔わず。
 池袋駅から代々木駅まで行ってホームの階段を上り下りせずに総武線に乗り換える『ダンドリくん』(泉昌之)方式で帰る。新宿で乗り換えるより楽だし、席に座れる確率もはるかに高い。

 朝、なんとか仕事をかたづける。
 この二日間、まったく本を読まなかった。
 とはいえ、よく考えてみれば、ずっと古本屋にいて何万冊の本の背表紙を見続けていたわけだから、読んだ文字の量はそうとうなものになるのだが。